起業家インタビュー

オフィス打ち出の小づち

梅津 勝明 様

志を持ちやすく、育みやすい社会の実現に貢献したい

会社名:オフィス打ち出の小づち
設立年月日:2017年1月1日
代表:梅津 勝明     
所在地:〒302-0024 茨城県取手市新町1-9-1 リボンとりで5階
電話番号:0297-74-7004
ホームページ:https://office556uk.com
事業内容:影絵劇団、中小企業診断士の活動を通じて、多くの人たちの志を応援しています。

  • 中小企業診断士 影絵劇団

事業内容

影絵劇団と中小企業診断士の活動を通して、子どもたちから大人たちまで、誰もが志を持ちやすく、志を育みやすい社会の実現のために活動しています。

2003年~2015年の約13年間、影絵劇団に所属し、北海道から九州までの500か所以上の小学校で、10万人以上の小学生たちの前で公演した経験から、2017年末にひとり劇団である影絵劇団「打ち出の小づち」を旗揚げしました。

文化庁「文化芸術による子供育成推進事業」の芸術家として、小学校で公演を行ったり、日本最大の人形劇の祭典「いいだ人形劇フェスタ」等のイベントで公演を行ったりしています。

参加体験型の影絵人形劇は好評を博し、子どもたちに自分で感じて自分で考える楽しさを伝えています。

また、子どもたちだけではなく、もっと多くの人たちを楽しませたいと考え、2010年に中小企業診断士の資格取得に向けた学習を開始しました。

2015年から中小企業診断士として活動し、中小企業・個人事業主の二大お困りごとである「ヒト」と「カネ」の不安解消のための自立型支援、キャッシュフロー経営支援等に従事しております。

クライアントの志を共に感じ、クライアントの資源(独自性・個性)を最大限に活用する戦略を共に考え、クライアントの志の実現に向けて共に突き進んでいます。

起業した理由・きっかけ、社名(屋号)の由来はどんなことですか?

起業した理由は一言で言うと「自分らしくいたいから」ですが、過去の経験からその思いが強くなったと感じています。

小学校、中学校、高校のときは、理数系の科目を中心にそれなりにお勉強ができたので、数学を得点源にして、一浪の末、国立大学に入学することができました。

大学入学までは「大学」を目標に、その先の目標や夢などは深く考えずお勉強をしてきたのですが、自分は何がしたいのかがまったく分からない状態になりました。

周りから見れば順調に歩んでいるように見えたかもしれませんが、僕自身は苦しみの中にいました。

その理由は、自分で感じて自分で考えることができていなかったからです。周りの顔色や評価を気にしすぎて、その結果、自分で勝手にブレーキをかけてしまって、自分の感じ方、考え方がなく、自分らしさや個性を見失っていたのです。したいこと、夢や志が見つかりませんでした。

周りは大学院に進む人が多かったのですが、目的、目標がない状態で大学院に進んでも意味がないと感じ、大学卒業後は就職することにしました。しかし、そんな状態で就職しても上手くいきません。

当時の私は本当に未熟で(今も未熟ですが)、「何のために働いているのか」が見えず、2年9カ月で退社しました。その頃から徐々に、目的や目標が定まらなかったのは「自分らしく周り(社会)と関わること」を考えてこなかったからだと気づき始めました。

自分で感じたこと、自分で考えたことを表現しないことに慣れてしまい、自分の個性が分からなくなっていたのです。その後は「周りの人たちに楽しんでもらおう、自分も楽しく社会と関わっていこう」と放送作家をしていた時期もあります。それだけでは食べていくことができないのでアルバイトをして食いつないでいました。

そんなときに出会ったのが「影絵人形劇」でした。最初はアルバイトのひとつでしていました。アルバイト募集の求人広告は1,2か月程度の短期だったと記憶しています。

劇団の先輩のKさんが「続けてくれたら助かるんだけどね」と言ってくれたので続けることにし、13年くらいその劇団で影絵人形劇をしていました。

その影絵劇団の小学校公演では人形師と前説を担当し、子どもたちのリアクションを直に受けて、「今、子どもたちに楽しんでもらうために働いている!」と感じることができ、「子どもたちに楽しんでもらうためにどうしようかな」と考えることができました。

就職をして「何のために働いているのか」が見えなかったときとは大違いでした。自分で感じて自分で考えて、自分らしくいられたのです。しかし、その劇団ではできることが限られることもありましたので離れることを決意しました。

それまで楽しんでもらう対象は、ラジオ番組のリスナー、テレビ番組の視聴者や、影絵人形劇の観客、小学校の児童たちであったりしましたが、今後は対象の幅を広げて、働く人たち、中小企業や地域の人たちにも「楽しさ」を提供できる存在でありたいという思いから中小企業診断士を志しました。

そして現在は、中小企業診断士として活動する傍ら、今までの経験を活かして、影絵劇団「打ち出の小づち」を旗揚げして、自分らしく活動しています。

ちなみに「打ち出の小づち」という名前は、私が最初に製作した影絵人形劇の演目「一寸法師」に登場する「打ち出の小づち」に由来します。もし、願いごとを唱えて振ると願いごとが叶う「打ち出の小づち」が目の前にあるとしたら、どのような願いごとをしますか?

でも実際は「打ち出の小づち」はありません。

願いごとを叶えるためには、自分にできることをひとつずつ積み上げていくことが大切です。自分で感じて自分で考えて、小さくてもひとつの行動を起こすことが「打ち出の小づち」のひと振りになり、願いごとに近づいていくのです。そんな思いから「打ち出の小づち」という名前にしました。

理念:こんな社会にしたい

私の理念は「志を持ちやすく、育みやすい社会の実現に貢献すること」です。

「○○をしたい」「○○になりたい」という志を持つことができない人は、少なくないと感じています。

かつての私もそうでした。志を持つことができなかった自分の経験から、会社にお勤めの人たちも、経営者の人たちも、個人事業主の人たちも、子どもたちも、そのご家族も、誰もが自分で感じて自分で考える、自分らしく生きられる社会が理想だと考えています。

影絵人形劇をやっていると、「こんなに子供たちが自分から気持ちを表現しているのは初めてです」と先生たちによく驚かれます。子供たちは、仲間の友達が影絵を実際に体験しているから、とても興味を持って見てくれます。

自分で感じて自分で考えて、そこから生まれた「志」には自分らしさが詰まっていることでしょう。誰もが志を持ちやすく、志を育みやすい社会の実現を目指して活動しています。

得意なこと

得意なことは、個性を応援することです。影絵人形劇をしているのも、影絵人形劇なら個性を大切にできることが大きな理由です。

影絵人形劇は、影で表現します。人形の実物が見えません。例えば、観ている子どもたちが主人公の服の色などを自由にイメージします。自分で感じて自分で考えることを自然と楽しむのです。

自分で感じて自分で考えることは「自分らしさ」「個性」につながります。自然と個性を大切にできるのです。子どもたちにはどのように育ってほしいですか?「明るく」「元気に」「前向きに」「たくましく」「心豊かに」「思いやりのある」…などの願いや想いがあることでしょう。ただ、それらには「自分らしく」が大前提にあるのではないでしょうか。

どんなに明るくても、どんなに元気でも、どんなに前向きでも、どんなにたくましくても、どんなに心豊かでも、どんなに思いやりがあっても、またどんなに学力があっても、自分らしくなければ、「我が子にはこのように育ってほしい」という願いや想いとはほど遠いのではないでしょうか。

目先の利益や損得ばかりに目が行くと「自分らしさ」「個性」を大切にする意識が薄くなる恐れがあります。僕は影絵人形劇なら「自分らしさ」「個性」を大切にできると感じました。これはビジネスにおいても同じです。

他社との特異性、違いや差を生み出す差別化戦略という戦略がありますが、他社と比較することが当たり前になってしまい、無意識のうちに他社と比較することが目的化してしまって自分の個性が分からなくなるケースは少なくありません。中小企業診断士としても、中小企業の方々、個人事業主の方々の個性を応援しています。

実際、どんなお客様がご利用されていますか?

影絵人形劇は、主に小学校さまからご依頼をいただいています。(エリアは関東が中心ですが、福島県や岩手県の小学校さまからお声がかかり、公演をさせていただいたこともあります。)

基本は全校児童に対して行いますが、低学年のみ、高学年のみ、特定の学年のみなどのご依頼も承っています。

また、小学校さまだけではなく、保育園さまなどからご依頼をいただくこともあります。

忘れられない思い出

これまでのお仕事で嬉しかった思い出など

ある小学校で影絵人形劇の公演をしたときにこんなことがありました。

その日もいつものように参加体験型の演目「一寸法師」で「この一寸法師をやりたい人!」と子どもたちに尋ねると、一番前列の右端に座っている男の子と目が合いました。

真っすぐにこっちを見て手を挙げていたので、その子をピックアップしたのです。人形の動かし方を伝えるときも話を真剣に聴いている様子です。

「さぁ、それではケンジくんの一寸法師、いきますよ!」ケンジくんは人形を一所懸命、夢中に動かしてくれました。観ている子どもたちも大盛り上がり。

公演後、校長先生が言いました。「最初に指名されたケンジくん、実はクラスになかなか馴染めずにいる子なんですよ。だからケンジくんが指名されたときは大丈夫かなと思ったんです。でもケンジくんは精一杯やっていて…」校長先生はケンジくんが頑張って自分を表現している姿を見て、とても良い経験をさせてくれたと喜んでくれました。

ケンジくんは、普段なかなか自分を出せずに辛い思いをしていたかもしれません。

それなのに影絵人形劇に参加したいという気持ちを伝えるために手を挙げてくれて、人形で自分を表現してくれました。自分で感じて自分で考えることを楽しんでくれました。個性を大切にできたのです。

自分で感じて自分で考える余白が大きい影絵人形劇だからこそ、個性を大切にできたのかもしれません。また人前に立つと人の目が気になってしまったかもしれませんが、観る側とスクリーンを挟んで人形を動かす影絵人形劇だからこそ個性を大切にできたのかもしれません。

このようなことが私の活動の原動力になっています。

趣味

好きこそものの上手なれ..

中学高校時代は、卓球部でした。私の時代はあまりイメージが良くなかった卓球ですが、今は注目されるようになりとても嬉しいです。たまにですが、今でもプレーを楽しんでいます。

休日にはどんなことをされていますか?

ゴロゴロしていることも多いですが、スポーツ観戦が好きです。特に野球と卓球が好きです。最近は球場、会場に足を運ぶ機会が少なくなり、テレビでの観戦が多いですが、大学時代は藤井寺球場でアルバイトしていたこともあり、現場の熱気や興奮を肌で感じたくなります。また現場での観戦を増やしていきたいと考えています。

出没情報

毎年8月上旬に人形浄瑠璃で有名な長野県飯田市で開催される「いいだ人形劇フェスタ」に出没します。

「いいだ人形劇フェスタ」は日本最大の人形劇の祭典と言われ、日本全国の劇団のみならず海外の劇団も含め、100を超える劇団が一堂に会し、至るところでさまざまな人形劇の公演が繰り広げられ、数万人の人たちが人形劇を鑑賞します。

こんな大規模なイベントに、2018年から(コロナウィルス拡大防止のため2020-2022年は不参加でした)参加しています。タイミングが合いましたらご家族でお越しください。いろんなスタイルの人形劇に触れるのも面白いものですよ。

こんなこと(モノ)求む!

夢は、日本全国で影絵人形劇の公演をすることです。日本全国どこでも公演を承ります。参加体験型の影絵人形劇にご興味のある方、お知り合いに小学校や保育園等の関係者がおられる方など、お問い合わせをお待ちしています。

オフィス打ち出の小づち様、
この度は起業家インタビューをさせて頂き誠にありがとうございました。

会社名:オフィス打ち出の小づち
設立年月日:2017年1月1日
代表:梅津 勝明     
所在地:〒302-0024 茨城県取手市新町1-9-1 リボンとりで5階
電話番号:0297-74-7004
ホームページ:https://office556uk.com
事業内容:影絵劇団、中小企業診断士の活動を通じて、多くの人たちの志を応援しています。

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